ひとことで言うと
キャッシング枠とは、クレジットカードを使ってATMなどで現金を借りられる上限額のことです。買い物に使える「ショッピング枠」とは別の仕組みで、借りた日数に応じて利息がかかります。
くわしい意味
クレジットカードには、主に2つの「利用枠」があります。
| 項目 | ショッピング枠 | キャッシング枠 |
|---|---|---|
| 使い道 | 商品やサービスの支払い | 現金の借入れ |
| 主なルール | 割賦販売法 | 貸金業法 |
| 年収による上限 | 支払可能見込額の範囲内 | 総量規制(年収の3分の1まで) |
| 金利の目安 | 一括・2回払いは手数料なしが多い | 年15〜18%程度が多い |
キャッシング枠はショッピング枠の「内側」に設定されるのが一般的です。たとえばショッピング枠50万円・キャッシング枠10万円なら、キャッシングで10万円借りると、その分ショッピングで使える額も減ります。
たとえるなら、ショッピング枠は「買い物用の財布」、キャッシング枠は「その財布から一時的に現金を借りられる小分けポケット」です。財布全体の中身は共通なので、片方を使うともう片方も減ります。
キャッシングの返済方法
キャッシングの返済方法は、主に「翌月一括払い」と「リボ払い(分割)」があります。翌月一括払いなら利息は借りた日数分だけで済みますが、リボ払いにすると返済期間が延びるほど利息の合計が増えます。カードによっては、キャッシングの返済方法が最初からリボ払いに設定されていることもあるため、会員ページで確認しておくと安心です。
生活での例
10万円をキャッシングで借り、30日後に一括返済した場合(年18%で計算した概算・2026年10月時点の一般的な水準)。
- 利息:10万円 × 18% × 30日 ÷ 365日 = 約1,479円
- 返済額の合計:約10万1,479円
1か月だけなら利息は1,500円ほどですが、キャッシングをリボ払いで返す設定にしていると、返済が長引いて利息の総額が大きくなります。また、ATMを使うと別途ATM手数料がかかる場合もあります。
総量規制の計算例
年収450万円の会社員の場合、貸金業者からの借入れは原則として年収の3分の1である150万円までです。すでにカードローンで100万円借りている場合、キャッシング枠が別にあっても、貸金業者からの新たな借入れは合計で残り50万円までとなります。
なお、銀行のカードローンは貸金業法の総量規制の対象外ですが、銀行は自主的に年収に応じた審査基準を設けています(2026年10月時点)。
注意点・よくある誤解
- キャッシング枠は0円にもできる:使う予定がなければ、カード申込時や会員ページで枠を0円にする(設定しない)ことも選べる場合があります。不正利用のリスクを減らす意味もあります。
- 総量規制はキャッシングに適用される:貸金業者からの借入れ合計は、原則として年収の3分の1までです。他社のカードローンなどと合算されます。
- 住宅ローンの審査に影響することも:使っていなくても、キャッシング枠が借入れ可能額として見られることがあります。
- 海外キャッシングにも利息がかかる:両替手数料より安い場合もありますが、返済日までの利息とATM手数料を確認しましょう。
- キャッシングは「借金」と意識する:カード1枚で手軽に使えるため、借入れをしている感覚が薄れがちです。使う前に、返済日と返済額を決めておきましょう。
FP試験ではこう出る
FP試験では、総量規制(年収の3分の1)はキャッシングには適用されるが、ショッピングには適用されないという違いが定番の論点です。ショッピング枠は割賦販売法、キャッシング枠は貸金業法という根拠法の違いもあわせて覚えておきましょう。
関連キーワード
出典
- 金融庁「貸金業法のキホン」(総量規制・上限金利)
- 経済産業省「割賦販売法(クレジット取引)」(ショッピング取引のルール)

