ひとことで言うと
複利とは、元本だけでなく、これまでについた利息(運用益)にも利息がつく仕組みです。時間がたつほど増え方が大きくなるため、「長く続けること」が力を発揮します。
くわしい意味
利息のつき方には「単利」と「複利」があります。
- 単利:最初の元本にだけ利息がつく。毎年同じ額ずつ増える
- 複利:元本+それまでの利息に利息がつく。増える額が年々大きくなる
たとえるなら、複利は坂道を転がる雪だるまです。最初は小さくても、転がるたびにくっつく雪の量が増えて、どんどん大きくなります。
そして、複利で「お金が2倍になるまでの年数」をざっくり計算できるのが72の法則です。
- 72 ÷ 年利(%)≒ お金が2倍になる年数
例:年6%なら72÷6=約12年、年3%なら72÷3=約24年
逆に、借金にも同じ考え方が当てはまります。年15%のリボ払いを放置すると、72÷15=約4.8年で、払うべき利息を含めた負担が2倍近くに膨らむ計算になります。
積立でも複利は働く
毎月一定額を積み立てる場合も、それまでに増えた分に運用益がつくため、複利の効果が働きます。たとえば毎月1万円を年3%で20年間積み立てたと仮定すると、元本240万円に対して20年後は約328万円になる計算です(概算・税金や手数料は考慮していません)。
| 積立期間 | 元本 | 年3%で運用できた場合の目安 |
|---|---|---|
| 10年 | 120万円 | 約140万円 |
| 20年 | 240万円 | 約328万円 |
| 30年 | 360万円 | 約583万円 |
期間が長くなるほど、元本と評価額の差が大きくなっていくのが分かります。
「時間」が一番の味方
複利の効果を大きくする要素は、主に「元本」「利回り」「期間」の3つです。このうち、利回りは自分で決めることができませんが、期間は早く始めるほど長くなります。同じ金額を積み立てる場合でも、始めるのが5年、10年早いだけで、最終的な金額に大きな差が出ることがあります。一方で、借金の利息も同じように時間とともに膨らむため、金利の高い借入れは早めに減らすことが大切です。
生活での例
100万円を年3%で20年間運用できたと仮定します(概算・税金や手数料は考えない)。
| 方式 | 20年後の金額 | 増えた額 |
|---|---|---|
| 単利 | 160万円 | 60万円 |
| 複利 | 約181万円 | 約81万円 |
同じ年3%でも、複利のほうが約21万円多くなります。期間が長いほど、この差は大きくなります。
預金の金利は、日本銀行の政策金利の動きにも影響を受けます。金利が上がると預金の利息も増えやすくなりますが、物価の上昇に追いつかないこともあります。くわしくは「利上げとは?」をご覧ください。
注意点・よくある誤解
- 「複利なら必ず増える」わけではない:投資信託などは値下がりすることもあり、毎年一定の利回りが続くとは限りません。
- 72の法則は目安:金利が高すぎたり低すぎたりすると誤差が大きくなります(年6%の実際の年数は約11.9年)。
- 分配金を受け取ると複利効果は弱まる:運用益を再投資することで複利の効果が働きます。
- 借金の複利にも注意:利息を払わずに残高に組み入れていくと、借金も雪だるま式に増えていきます。
- 手数料や税金も考える:実際の運用では信託報酬や税金がかかるため、計算どおりには増えません。NISAなど非課税制度(2026年10月時点)を使うと、税金の分だけ複利の効果を活かしやすくなります。
FP試験ではこう出る
FP試験では、複利計算で一定期間後の元利合計を求める問題や、「1年複利」「半年複利」など複利の期間の違いが出題されます。係数表(終価係数・年金終価係数など)を使った計算もよく問われるので、あわせて練習しておきましょう。

