ひとことで言うと
繰上げ返済とは、毎月の決まった返済とは別に、まとまったお金を返して元金(借りたお金そのもの)を減らすことです。元金が減るとその後の利息も減るため、リボ払いのように金利が高い借入れほど効果が大きくなります。
くわしい意味
毎月の返済額には、利息と元金の両方が含まれています。一方、繰上げ返済で払ったお金は、原則として全額が元金の返済に充てられます。
利息は「残っている元金×金利」で計算されるので、元金が減れば翌月以降の利息も小さくなります。たとえるなら、雪だるまが転がって大きくなる前に、雪をまとめて削るイメージです。早い時期に削るほど、その後に増える分も小さくなります。
住宅ローンの繰上げ返済には、毎月の返済額はそのままで期間を短くする「期間短縮型」と、期間はそのままで毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。カードのリボ払いでは、会員ページや電話で「一部(または全額)の繰上げ返済」を申し込み、指定口座への振込やATMで支払う方法が一般的です(方法はカード会社によって異なります。2026年10月時点)。
繰上げ返済の手順(リボ払いの場合の一般的な流れ)
- カード会社の会員ページや電話で、現在の残高と繰上げ返済できる金額を確認する
- 「一部繰上げ返済」または「全額繰上げ返済」を申し込む
- 指定された口座への振込、ATM、口座引き落としなどで支払う
- 翌月の明細で、残高と手数料が減っているかを確認する
受付期間や支払い方法はカード会社ごとに決まっています。締め日の直前に申し込むと、翌月の請求にすでに組み込まれていることもあるので、余裕を持って手続きしましょう(2026年10月時点の一般的な例)。
生活での例
残高50万円・手数料率 年15%・毎月1万円返済のリボ払いで比べます(月割りで計算した概算・新たな利用なし)。
| ケース | 完済までの回数 | 手数料の合計 |
|---|---|---|
| 繰上げ返済なし | 79回(約6年7か月) | 約29万円 |
| 1か月目に10万円を繰上げ返済 | 57回(約4年9か月) | 約16万円 |
| 12か月目に10万円を繰上げ返済 | 59回(約4年11か月) | 約18.6万円 |
10万円を早めに返すだけで、手数料は約13万円少なくなる計算です。同じ10万円でも、返すタイミングが早いほど効果が大きいことが分かります。
リボ払いを返済中の運営者りょうにとっても、繰上げ返済は完済を早めるための大切な選択肢です。
少額でも効果はある
「まとまったお金がないと意味がない」と思われがちですが、1万円、2万円といった少額の繰上げ返済でも、その分の元金にかかる手数料はなくなります。たとえば年15%の残高に対して1万円を繰上げ返済すると、その1万円にかかるはずだった手数料は1年あたり約1,500円分です。小さな金額でも、早い時期に積み重ねるほど効果は大きくなります。
定期的に繰上げ返済を続けた場合
同じ条件(残高50万円・年15%・毎月1万円返済)で、繰上げ返済を定期的に行った場合の概算です。
| ケース | 完済までの回数 | 手数料の合計 |
|---|---|---|
| 繰上げ返済なし | 79回 | 約29万円 |
| 6か月ごとに2万円 | 53回 | 約18万6,000円 |
| 12か月ごとに5万円 | 49回 | 約18万2,000円 |
一度に大きな金額を用意できなくても、半年に2万円ずつ続けるだけで、手数料が約10万円少なくなる計算です。ボーナスや臨時収入があったときに、少しずつでも繰上げ返済に回すと効果が積み重なります。
ただし、手元のお金をすべて返済に回すと、急な出費でまたカードに頼ることになりかねません。生活防衛資金として残すお金とのバランスも考えておきましょう。
住宅ローンを変動金利で借りている場合、利上げで金利が上がると、繰上げ返済で減らせる利息も大きくなります。金利が上がったときの返済額の変化は「利上げとは?」で計算しています。
注意点・よくある誤解
- 生活費まで使い切らない:繰上げ返済に回しすぎて、急な出費のたびにまた借りることになっては逆効果です。先に生活防衛資金を確保しておくと安心です。
- 手数料がかかる場合がある:住宅ローンなどでは、繰上げ返済に事務手数料がかかることがあります。事前に条件を確認しましょう。
- 新たな利用を止めることが大前提:繰上げ返済をしても、リボ払いでの買い物を続けると残高はまた増えてしまいます。
- 金利の低い借入れは優先度が下がることも:複数の借入れがある場合、一般的には金利の高いものから返すほうが利息の削減効果は大きくなります。
FP試験ではこう出る
FP3級・2級では住宅ローンの繰上げ返済がよく出題されます。「同じ金額・同じ時期なら、返済額軽減型より期間短縮型のほうが利息の軽減効果は大きい」という点が定番の論点です。
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出典
- 住宅金融支援機構「繰上返済(個人住宅融資の場合)」(期間短縮型・返済額軽減型)
- 国民生活センター「利用明細は必ず確認!意図せぬリボ払いに注意」

