ひとことで言うと
先取り貯金とは、給料が入ったら、使う前に決めた金額を先に貯金に回し、残りのお金で生活する方法です。「余ったら貯金する」よりも、確実にお金がたまりやすいとされています。
くわしい意味
貯金の方法は大きく2つあります。
- 残ったら貯金:収入 − 支出 = 貯金(月末に残った分を貯める)
- 先取り貯金:収入 − 貯金 = 支出(先に貯めて、残りで暮らす)
「残ったら貯金」は、使えるお金がたくさんあるように感じてしまい、月末にはほとんど残らないということが起こりがちです。先取り貯金は、たとえるなら「切り分けたケーキを先に冷蔵庫にしまっておく」方法です。目の前になければ、その分は食べずに済みます。
この方法は、意志の強さに頼らず、仕組みで貯めるところがポイントです。代表的な方法には次のようなものがあります。
- 銀行の自動積立定期預金や定額自動入金サービス
- 勤務先の財形貯蓄(給与から天引きで積み立てる制度)
- 給与の振込口座を分ける(勤務先が対応している場合)
生活での例
手取り25万円の人が、手取りの10%を先取り貯金する場合です。
- 毎月の先取り額:2.5万円
- 1年間で:30万円
- 3年間で:90万円
給料日の翌日に自動で別口座へ移るように設定しておけば、毎月の手続きは不要です。最初は月5,000円など無理のない金額から始め、生活に慣れてきたら少しずつ増やす方法もあります。
ためたお金は、まず生活防衛資金に、その後は目的に応じて借金の返済やNISA・iDeCoなどに振り分けると、家計の優先順位を整理しやすくなります。
先取り額の決め方
先取り額は、次の手順で決めると無理がありません。
- 過去2〜3か月の支出を家計簿や口座の履歴で確認し、毎月の平均的な生活費を出す
- 手取りから生活費を引いた「余る金額」を把握する
- 余る金額の半分〜8割程度を先取り額にし、残りは予備として残す
最初から多く設定しすぎると、足りなくなって取り崩すことになりがちです。3か月ほど続けて余裕があれば、少しずつ金額を上げていきましょう。ボーナスがある人は、ボーナス月だけ先取り額を増やす方法もあります。
注意点・よくある誤解
- 先取りしすぎに注意:生活費が足りなくなってクレジットカードやリボ払いに頼っては本末転倒です。
- 固定費の見直しとセットで:通信費や保険料などを見直すと、先取りできる額を増やしやすくなります。
- 「貯金したお金は使ってはいけない」ではない:特別な出費のために貯めるのも先取り貯金の一つです。目的ごとに口座を分けると管理しやすくなります。
- 金利は2026年10月時点の各銀行の条件で確認:積立定期預金などの金利や条件は銀行によって異なります。
- 口座を分けて「見えなくする」:先取りしたお金を生活費と同じ口座に置いておくと、つい使ってしまいがちです。普段使わない銀行の口座や、引き出しに手間がかかる積立定期預金など、すぐには手を付けにくい場所に移すのがコツです。目的ごとに口座の名前を決めておくと、貯める意欲も保ちやすくなります。
FP試験ではこう出る
FP試験では、先取り貯金に使われる財形貯蓄制度がよく出題されます。一般財形・財形年金・財形住宅の3種類があり、財形年金と財形住宅は合算で元利合計550万円まで利子が非課税(保険型の財形年金は385万円まで)といった点が問われます。
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出典
- 厚生労働省「財形貯蓄制度」(一般財形・財形年金・財形住宅)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「将来のために、どうお金を貯めて、増やす?」

