ひとことで言うと
掛け捨て保険は「保険料が安いが、満期金や解約返戻金はほとんどない」保険、貯蓄型保険は「保険料は高いが、解約や満期のときにお金が戻る」保険です。どちらが合うかは、保障が必要な期間や貯蓄の方法によって変わります。
くわしい意味
| 項目 | 掛け捨て保険 | 貯蓄型保険 |
|---|---|---|
| 代表例 | 定期保険、収入保障保険など | 終身保険、養老保険、学資保険など |
| 保険料 | 安め | 高め |
| 戻るお金 | ほとんどない | 解約返戻金・満期保険金など |
| 保障期間 | 一定期間(10年・60歳までなど) | 一生涯や満期まで |
| 早期に解約すると | 戻りはないか少額 | 払った保険料より少なくなることが多い |
たとえるなら、掛け捨て保険は「雨の日のためのレンタル傘」です。必要な期間だけ安く借りられますが、返したら手元には何も残りません。貯蓄型保険は「傘つきの積立貯金」で、保障と貯蓄を一緒にできる分、毎月の負担は大きくなります。
保障の必要額は時期によって変わる
一般的に、死亡保障の必要額は「子どもが生まれた直後」が最も大きく、子どもが成長するにつれて小さくなっていきます。残された家族の生活費や教育費のうち、遺族年金や貯蓄でまかなえない部分が保障の目安になるためです。
- 子どもが小さい時期:必要な保障額が大きい → 保険料の安い掛け捨ての定期保険で大きな保障を確保する考え方がある
- 子どもが独立した後:必要な保障額は小さくなる → 葬儀費用など一生必要な分だけを終身保険で備える考え方がある
このように、「いつ、いくら必要か」を考えると、掛け捨てと貯蓄型を組み合わせるという選択肢も見えてきます。
生活での例
子どもが独立するまでの20年間、万一のときに家族に1,000万円を残したいというケースを考えます(金額は考え方を示すための仮の数字です。保険の仕組みは2026年10月時点の一般的な内容にもとづきます)。
- A:掛け捨て(定期保険)で毎月2,000円、差額を自分で積み立てる
- B:貯蓄型(終身保険)で毎月2万円を支払う
Aは毎月1.8万円の差額を預金や積立投資に回せば、「保障」と「貯蓄」を分けて管理できます。Bは自動的に貯蓄される安心感がある一方、途中で解約すると元本割れしやすく、お金が必要なときに自由に使いにくいという面があります。
どちらが有利かは、金利状況、積立を続けられるか、いつまで保障が必要かなどによって変わります。
注意点・よくある誤解
- 「掛け捨て=損」ではない:保険の本来の役割は万一の備えです。何もなかった場合に戻らないのは、安心を買った対価ともいえます。
- 貯蓄型は早期解約に注意:解約返戻金が払った保険料を下回る期間が長い商品もあります。
- 公的制度を先に確認:遺族年金や高額療養費制度など、公的な保障でカバーされる部分を差し引くと、必要な保障額を考えやすくなります。
- 告知義務を守る:加入時に健康状態などを正しく伝えないと、保険金が支払われないことがあります。
- 見直しのタイミング:結婚、出産、住宅購入、子どもの独立など、ライフイベントのたびに必要な保障額は変わります。数年に一度は、保障内容と保険料が今の生活に合っているかを確認しましょう。見直す場合は、新しい保険の加入が決まってから古い保険を解約するのが基本です。
FP試験ではこう出る
FP試験では、定期保険・終身保険・養老保険の特徴や、保険料は「純保険料」と「付加保険料」で構成されること、予定利率が高いほど保険料は安くなることなどがよく問われます。

