ひとことで言うと
扶養控除とは、収入が一定額以下の家族を養っている人の所得から一定額を差し引き、税金を軽くする仕組みです。家族の年収が一定額を超えると控除や扶養から外れ、手取りが変わる境目がいわゆる「年収の壁」です。
くわしい意味
「年収の壁」には、大きく分けて税金の壁と社会保険の壁があります。税金の壁は2025年・2026年の税制改正で大きく変わり、以前の「103万円の壁」は置き換わっています。
主な壁は次のとおりです(2026年10月時点、給与収入のみの場合)。
| 壁 | 種類 | 内容 |
|---|---|---|
| 106万円 | 社会保険 | 勤務先の規模や労働時間などの条件を満たすと、勤務先の健康保険・厚生年金に加入 |
| 130万円 | 社会保険 | 家族の社会保険の扶養から外れ、自分で保険料を負担 |
| 136万円 | 税金(家族側) | この額以下なら、養っている人が扶養控除・配偶者控除を受けられる(2026年分) |
| 178万円 | 税金(本人側) | この額以下なら本人に所得税がかからない(2026年分・2027年分の特例) |
また、19歳以上23歳未満の子どもについては、年収が136万円を超えても一定額までは「特定親族特別控除」で段階的に控除が受けられます。
生活での例
大学生の子ども(20歳)がアルバイトをしている家庭で考えます。
- 子どもの年収が136万円以下:親は特定扶養控除(所得税63万円)を受けられる
- 136万円を超えても:特定親族特別控除で、子どもの年収に応じて控除額が段階的に減る
- 子どもの年収が130万円以上:社会保険の扶養から外れる可能性(19歳以上23歳未満は150万円未満まで扶養に入れる特例あり)
税金の壁は段階的に控除が減る仕組みのため、超えた瞬間に手取りが大きく減ることは少なくなっています。一方、社会保険の壁は保険料の負担が一度に発生するため影響が大きく、勤務方法を考えるときの重要なポイントです。
配偶者控除と配偶者特別控除
配偶者についても、扶養控除と似た仕組みがあります。配偶者の年収が136万円以下(2026年分)なら「配偶者控除」、それを超えても一定額までは「配偶者特別控除」で、配偶者の収入に応じて段階的に控除を受けられます。ただし、控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。
注意点・よくある誤解
- 「103万円の壁」は今は当てはまらない:税制改正で数値が変わっています。古い情報に注意しましょう。
- 税金と社会保険の「扶養」は別物:税金は1〜12月の実際の年収で判断しますが、社会保険は今後1年間の見込みで判断します(2026年4月からは、労働契約で見込まれる年収が130万円未満なら、一時的に超えても扶養にとどまれる扱いになりました)。
- 会社の家族手当にも注意:勤務先によっては独自の年収基準があります。
- 個別の判断は専門家へ:家族構成や勤務先の条件で変わるため、迷ったら税務署、年金事務所、勤務先の担当者、税理士などに相談しましょう。
FP試験ではこう出る
FP試験では、扶養控除の対象は16歳以上、19歳以上23歳未満は特定扶養親族で控除額が大きい、年齢はその年の12月31日時点で判定といった点が頻出です。配偶者控除・配偶者特別控除の違いもあわせて問われます。控除額や所得要件は改正が続いているため、受験する試験の法令基準日で確認しましょう。
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